2023-01-01から1年間の記事一覧
石巻市渡波地区にある水産加工業者で現在一番有名な所と言えば、おそらく末永海産なのではないかと思う。この会社は令和2年に内閣総理大臣賞を受賞している。私の実家と同じ町内にある。 しかし昭和の終わり頃だと、この町内で最も知られていた水産会社は「…
最近石巻図書館で「大正~昭和初期 空撮の旅 仙台・宮城鳥人記」をいう本を読んだ。宮城県初の民間飛行士である高橋今朝治が戦前に複葉機から撮影した写真について解説を付けた本である。 その中に、私の実家がある石巻市渡波町の昭和3年頃の空撮写真が掲載…
宮城県石巻市の渡波(わたのは)という町には江戸時代から昭和34年まで塩田があった。 この塩田は江戸時代には仙台藩における塩の約37%を製塩していた。昔の渡波は漁業と塩業の両方でかなり活気があったらしい。 昔の製塩は、濃縮させた海水を釜で煮詰めて…
車で国道398号を通って女川町へ向かう途中に「沢田(さわだ)」という地区がある。 山と万石浦に挟まれた場所であるため広い集落ではない。通称では、万石浦側を「表沢田」山の反対側を「裏沢田」と呼ぶ。 私の母方の祖父母達が戦後この辺に移り住んで来たの…
今でもそう呼ばれているのか分からないが、子どもたちが「ライオン山」と呼ぶ山が近所にある。たしかに樹々がたてがみで、岩肌がライオンの彫深い顔を彷彿させていると思えなくもない。このように岩肌がむき出しになっているのは、ここが採石場の跡だからで…
石巻方面から女川町へ向かうには現在2つのルートがある。1つは国道398号線をそのまままっすぐ東へ向かうルート。もう一つは県道234号線(稲井沢田線)を東へ進み、峠を越えてつづら折りの道を下ってから398号線に交わるルートである。石巻北部方面から女川町…
宮城県石巻市に渡波(わたのは)という町がある。ここは私が生まれ育った所である。 宮城県の東部に牡鹿半島があるが、その付け根に万石浦という入江がある。渡波という町はその入江を挟んだ牡鹿半島の対岸(西)に位置する。基盤産業は水産業である。語尾が…
私が住む宮城県石巻市では、毎年8月に「石巻川開き祭り」という打ち上げ花火を伴う祭りが開催されている。大正時代から続いており、今年で100回目となる。石巻の人であれば大変なじみ深い祭りである。 子供の頃、湊地区の御所入という場所に父の友人が住んで…
宮城県仙台市大倉にある定義山(定義如来西方寺)は平家落人伝説が伝わることで知られている。平家滅亡後、平貞能(さだよし)がこの地に移り住んだという言い伝えである(定義は「じょうぎ」と読むが、「さだよし」とも読める)。 このような言い伝えが残る…
宮城県石巻市大街道という町の国道398号線沿いに、「金華山ラーメン」という古いタクシー会社の建物を改築した食堂がある。この店名は牡鹿半島の霊峰金華山との関わりに由来するというよりも、おもての道がかつて「金華山道」と呼ばれていたことから取ったの…